4種類の防水工事を比較!防水施工法別の特徴・耐用年数をプロが解説

「雨漏りしたから防水工事を依頼したい」「そろそろメンテナンスを考えている」という方で、どんな防水工事をすれば良いのかわからない方は多いのではないでしょうか。
防水工事にも様々な種類があり、それぞれのメリット・デメリットと施工に適した場所が違います。
この記事では総合防水会社の職人が、4種類の防水工事の特徴・耐用年数から、防水工事の選び方まで解説いたします。

目次

そもそも防水工事ってなに?

防水工事の種類を説明していく前に、そもそも防水工事とは何を目的にし、どんな効果があるのかを解説いたします。
防水工事は建物の美観を守るだけでなく、建物の耐久性を維持するために大切な工事です。
雨や日常生活の中で使われる水を遮断するための層を作って、建物が雨や湿気による劣化を防ぎます。
主な施工箇所は、外壁・屋上・ベランダなどの雨にさらされる箇所です。

4種類ある防水工事の特徴と耐用年数まとめ

防水工事には大きく分けると4つの種類があります。
その4種類の中にもさまざまな施工法がありますが、まずは以下4種類あることを把握しておきましょう。

ウレタン防水
アスファルト防水
塩ビ防水(シート防水)
FRP防水
この4種類の特徴と施工に向いている場所、耐用年数を表にまとめると下記の通りです。

防水工事特徴向いている場所耐用年数
ウレタン防水面積の広さや材質を問わずに施工できる複雑な形状の屋上やベランダ10〜15年
アスファルト防水耐用年数が長い大型施設や大きな建物の屋上15〜30年
塩ビ防水(シート防水)保護塗装が必要なく、維持管理費が節約できる大型施設や大きな建物の屋上10〜15年
FRP防水軽く耐久性型が高い木造住宅10年

対応力が高い!ウレタン防水工事

まずは4種類の防水施工法の中でも、最もよく用いられるウレタン防水から説明していきます。

ウレタン防水工事のメリット・デメリット

ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を複数回塗って、つなぎ目のない防水層を形成する防水施工法です。

メリットデメリット
防水施工する場所を選ばない職人の防水施工技術が仕上がりを大きく左右する
施工費用とメンテナンス費用が安い5年に1度メンテナンスが必要
建物に負担がかかりづらい施工中にウレタン樹脂の匂いが出る

最も耐久性が高い!アスファルト防水工事

次に数ある防水工事の中でも、最も高い耐久性を誇るアスファルト防水工事について、解説していきます。

アスファルト防水のメリット・デメリット

アスファルト防水とは、文字通りアスファルトで防水層を形成する施工法です。
アスファルト防水工事には、下記のメリットとデメリットがあります。

メリットデメリット
他の施工法よりも耐用年数が長い施工できる箇所が限られる
最も古くからある防水施工法のため、信頼性が高い施工できる会社が少ない

高い防水性能を誇る!熱工法(アスファルト防水)

熱工法とは、溶解窯でアスファルトを220~270℃に溶解し、アスファルトルーフィングという防水シートを貼り付けていく工法です。
高温での工事になるため、臭いや煙が出てしまうデメリットがあります。
しかし、熱を冷ましながら防水層を作るため、高い防水機能を備えています。

アスファルト防水工事のデメリットを解消!常温粘着工法(改質アスファルト防水)

常温粘着工法とは、名前の通り「常温でも使用可能な防水シート」を用いた工法です。
1つ目に紹介した熱工法の「臭い」「煙」「広い場所に限る」といったデメリットがないことが、この工法の特徴です。

高度な技術が必要な反面、高い効果を持つ!トーチ工法(改質アスファルト防水)

この工法は、防水シートの裏側にあらかじめ張り付けられたアスファルトを、大型のガスバーナーで炙りながらアスファルトを溶かし、張り重ねていくものです。
熱を使用した工法なので、防水効果は2つ目の「常温粘着工法」よりも高くなります。
また、大型の溶解窯を必要としないため、狭い場所でも施工が可能です。

低コスト・短納期で施工できる!塩ビ防水(シート防水)

アスファルト防水の次は、シート防水と呼ばれることも多い「塩ビ防水」がどんな防水施工法なのかを解説していきます。

塩ビ防水工事のメリット・デメリット

「塩ビ防水(塩化ビニール防水)」とはその名の通り、塩化ビニール樹脂で作られた防水シートを、下地か緩衝材の上に貼って防水層を作る防水施工法です。
防水シートにはあらかじめ着色しているため、シートに保護塗装する必要がなく、維持管理費も節約できます。

メリットデメリット
防水剤を乾かす時間がない凹凸のある場所での防水には向いていない
施工に必要な機材が少ない
工程が短い
紫外線や熱、オゾンに対する高い耐久性を持っている

低コスト・短納期が特徴!「密着工法」

密着工法とは、下地に接着剤を塗布して塩ビ防水シートを貼り付ける施工法です。
施工に必要な機材が少なく工期も短いため、低コストで防水可能です。

対応力が高い!機械固定工法(絶縁固定工法)

下地の状況に大きく左右される密着工法の弱点を克服した施工法が、「機械固定工法(絶縁固定工法)」です。
下地の影響を受けないように、固定ディスクと呼ばれる道具を用いて、下地に塩ビ防水シートを直接固定します。

軽くて耐久性が高い!FRP防水

最後に解説するのはFRP防水。
FRP防水とは、どんな施工法でどんなメリット・デメリットがあるのかを解説していきます。

FRP防水工事のメリット・デメリット

FRP防水とは、FRPシートを敷き、その上から液状のプラスチック樹脂とトップコートを塗って、防水膜を作る防水施工法で、木造の戸建てに適しています。

メリットデメリット
建物への負担が少ない施工費用が少し高い
耐久性が高い
施工期間が短い

防水工事の流れ

ここまで様々な防水施工法を紹介してきました。
細かい内容は異なるものの、基本的には下記の流れで防水工事は行われます。

STEP
下地の洗浄または清掃
STEP
プライマー(接着剤の塗布)
STEP
防水剤の塗布または、防水シートを貼る
STEP
トップコートの塗布

防水工事の相場

ここまでご覧いただいた方は、お気づきの通り、防水施工法によって施工内容も使われる材料も異なるため、費用も各施工法によって変わります。
また、施工法だけでなく、施工する場所にもよっても異なるため、正確な金額については、実際に防水施工業者に見積もりを依頼するしかありません。
参考までに、各防水施工方別の相場をお伝えすると、下記の通りです。

施工法費用
ウレタン防水工事1㎡辺り5,500〜6,500円
アスファルト防水工事1㎡辺り5,000〜7,000円
塩ビ防水工事1㎡辺り4,000〜7,500円
FRP防水工事1㎡辺り5,000〜7,000円

防水工事の種類の選び方

結論からお伝えすると、
「防水工事専門の業者に建物に合った施工法を選んで施工してもらう」
ことが最もお勧めです。
防水工事を専門的に行ってる業者なら、建物にあった最適な施工法を判断でき、工事の質も高い傾向があります。
それだけでなく、自社施工の業者であれば、いわゆる中間マージンもないため、質の高い工事を適正価格で行えます。

建物にあった施工法をご自身で見極める方法はありますが、建物の状況によって最適な施工方法が異なるので、専門知識がないと正確な判断ができません。
無料で現地調査と見積もりできる業者も多いため、絶対に失敗したくない方は無料で見積もりしてくれる業者へ相談しましょう。
防水工事の選び方について、もっと詳しく知りたい方は下記のボタンをクリックして、防水工事業者と施工法の選び方を解説する記事をご覧ください。

最適な施工法と費用を知りたい方は、専門業者へ相談を

ここまでの内容をご覧いただければ、なんとなく防水施工法の内容についてはご理解いただけたかもしれません。
ただ、実際にどの施工法が良いかはその建物の状態や現在の防水層がどの施工法で作られたのかによって、最適な施工法は異なります。
そのため、これまでの知識を持って、防水施工業者へ最適な施工法について相談してみましょう。株式会社アクアスなら、無料で現地調査から見積もりまで可能です。
また、職人直営・自社施工のため、中間マージンがない適正な価格で長持ちする防水工事ができます。
「一級防水施工技能士(改質アスファルトシートトーチ工法防水工事作業)」と「ウレタン塗膜防水 1級技能士」の資格を持った職人も在籍しており、防水技術には絶対の自信があります。
ぜひ、お気軽にご相談ください。

現地調査からお見積りまで無料で受付中!

株式会社アクアスでは、現地調査・お見積もりは無料でお受けしております。
防水工事をご検討中の方は、お電話・お問合せフォームより、お見積もりをご依頼ください。

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