「そろそろ防水工事が必要かな」と感じていても、具体的に何をすればいいのかわからない…。
そんなマンションのオーナーや管理会社の方も多いのではないでしょうか。
そんな方に向けて、マンション特有の注意点を踏まえながら、防水工事が必要なタイミングや代表的な工法の特徴や費用、工期の目安をわかりやすく解説。
さらに、居住者への説明に役立つ情報や、業者に依頼する際のポイントも紹介していきます。
マンションの防水工事を「何となく」ではなく、納得感をもって業者に依頼するための知識を、この記事で身につけてくださいね。
マンションにおける防水工事の役割と必要性

マンションの劣化を防ぎ、資産価値を守るために欠かせないのが防水工事です。
屋上やベランダ、共用廊下・階段などは雨風や紫外線の影響を受けやすく、防水層の劣化が進むと雨漏りや建物内部の腐食につながります。
早めの対応により、建物の寿命を延ばすだけでなく、住民トラブルやクレームを未然に防ぐことも可能です。
安心・安全な住環境を保つために、マンションの防水工事は定期的に検討しましょう。
マンションの防水工事後、メンテナンスを検討すべき時期とは?

マンションの防水工事後、形成された防水層は日々劣化していきます。
メンテナンスは「劣化してから」では遅く、計画的なタイミングでの実施が重要。
築年数や前回の工事からの経過年数を踏まえ、劣化の兆しが現れる前に対応するのが理想です。
ただ、すでに屋上やベランダにひび割れや雨漏りが見られる場合は、早急な対応が必要となります。
ここでは、防水工事を検討すべき適切なタイミングについて詳しく解説します。
前回の防水工事からの10年以上経過している場合
マンションの防水工事は、一般的に「10〜15年」が目安です。
工法によって寿命は異なりますが、前回の工事から10年以上が経過している場合は、たとえ目立った劣化がなくても防水性能が低下している可能性があります。
また、国土交通省の「長期修繕計画作成ガイドライン」を参考に、12年周期での大規模修繕を実施するマンションが多いです。
このタイミングに他の工事と一緒に防水工事を行うことで費用や手間を抑えられます。
まずは過去の工事記録を確認し、計画的に次のタイミングを見極めましょう。
防水層に劣化が見られる場合
防水層にひび割れや剥がれが見られる場合や、雨漏りや湿気の発生があるときは、防水機能が低下している証拠です。
屋上の床表面が膨れて変形したり、ベランダや共用廊下・階段に水たまりが長時間残る状況も注意が必要です。
さらに、床表面の色あせも劣化サインとして見逃せません。
これらの症状が見られたら、早めに防水業者に相談しましょう。
マンションの防水工事を先延ばしにした場合のリスク

防水工事を先延ばしにすると、雨漏りのリスクが高まり、建物内部に深刻なダメージを与える可能性があります。
雨漏りが原因で壁や天井の腐食、カビの発生、鉄筋の錆びなど構造的な劣化が進むと、修繕費用の高額になるだけでなく、居住者の生活環境にも悪影響を及ぼします。
さらに、マンション全体の資産価値が下がるリスクも。
こうしたリスクを回避するために、適切な時期に防水工事を行い、長期的に建物の価値を守ることが大切です。
防水工法の比較|種類・耐用年数・費用相場
ここからは、マンションの防水工事で採用される主な施工法を紹介します。
ウレタン防水、FRP防水、塩ビシート防水、アスファルト防水の4つが代表的で、それぞれに特徴やメリット・デメリットがあります。
用途や場所、建物の状況に応じて最適な工法を選ぶための参考にしてください。
施工法ごとの費用・工期・耐用年数を比較したのが以下の表です。
防水工事 | 費用相場 | 工期の目安 | 耐用年数 |
---|---|---|---|
ウレタン防水 | 1㎡辺り 5,500〜6,500円 | 約3〜7日 | 10〜15年 |
FRP防水 | 1㎡辺り5,000〜7,000円 | 約1〜2日 | 10〜25年 |
塩ビシート防水 | 1㎡辺り 4,000〜7,500円 | 約2〜5日 | 10〜15年 |
アスファルト防水 | 1㎡辺り 5,000〜7,000円 | 約6〜10日 | 15〜30年 |
面積・形状を問わず施工できる!ウレタン防水

1つ目が防水工事で最もよく採用されるウレタン防水について解説します。
ウレタン防水とは、ウレタン樹脂を複数回塗って防水層を形成する施工法。
施工する面や広さ、形状を問わず施工できるため、マンションの屋上に設備が多い場合にお勧めの施工法です。
メリット | ・施工・メンテナンス費用が安い ・建物に負担がかからりづらい |
---|---|
デメリット | ・職人の技術が仕上がりを左右 ・施工中にウレタン樹脂の臭いがする ・5年に1度メンテナンスが必要 |
適している場所 | ・屋上、ベランダに最適 ・段差や複雑な形状にも対応可能 |
ベランダの防水に最適!FRP防水

2つ目がマンションのベランダに使われることが多い「FRP防水」について解説します。
FRP防水とは、耐衝撃性・耐摩耗性に優れたガラスマットを敷き、その上から樹脂を塗って硬化させて防水層を作る施工法です。
メリット | ・均一な厚みで施工できる ・速乾性に優れており工期が短い |
---|---|
デメリット | ・広い場所には施工できない ・費用が少し高い |
適している場所 | ・マンションや住宅のベランダ |
低コスト短工期!塩ビシート防水

3つ目は、「塩ビシート防水」と呼ばれるシートを使った施工法について解説します。
塩化ビニール樹脂製の防水シートを貼り付けて防水層を形成する方法で、紫外線や熱、オゾンに強い耐久性が特徴です。
ウレタン防水と違い、樹脂の乾燥時間が不要なため、工期を短縮できる点もメリットのひとつ。
メリット | ・既存防水層の上から施工できる ・低コスト短工期 ・下地の状態に左右されない |
---|---|
デメリット | ・凹凸の激しい場所への対応が難しい ・施工後も塩化ビニールの臭いが残る ・シートのつなぎの処理が甘いと漏水の原因になる |
適している場所 | ・マンションや大型施設の屋上 ・固定されている室外機が少ない屋上 |
最も耐久性が高い!アスファルト防水

最後に、数ある防水施工法の中でも特に耐久性に優れた「アスファルト防水」について解説します。
その名の通り、アスファルトを使って防水層を形成する施工法で、「塗る防水」と「貼る防水」の両方の特徴を兼ね備えています。
具体的には、熱で溶かしたアスファルトの上に、防水シート(アスファルトルーフィング)を貼り付けて防水層を作ります。
メリット | ・他の施工法より耐用年数が長い ・他の施工法より耐久性が高い ・古くからある施工法のため、信頼性が高い |
デメリット | ・施工できる会社が少ない ・工期が長い ・工法によっては臭い、煙が出る |
適している場所 | ・大型施設や大きな建物の屋上 ・重量があるため、強度の高い建物に適している |
マンションの場所別|防水工事の特徴と注意点

マンションで防水工事が必要になる主な場所は、以下の3つです。
- 屋上
- ベランダ
- 共用廊下・階段
それぞれの場所で適した施工法や注意点が異なるため、次の解説を参考に、特徴をしっかり押さえておきましょう。
マンションの寿命を左右する「屋上防水」
屋上防水は雨漏りを防ぎ、建物全体を守るうえで最も重要な防水工事です。
主な施工法には、複雑な形状にも対応しやすい「ウレタン防水」や、耐久性に優れた「アスファルト防水」などがあります。
屋上環境や予算、施工法の特徴に応じて選ぶことが大切です。
一般的に屋上防水は、10〜15年ごとの実施が目安とされ、大規模修繕と同時に行われるケースも多いです。
なお、建物の構造によっては足場が必要になることもあり、工期や費用に影響する点も把握しておきましょう。
屋上防水のことを詳しく知りたい方は、屋上の劣化サインや防水工事を依頼する前に知っておくべきポイントを解説している、こちらの記事も参考にしてください。
住戸によって劣化の進み方が異なる「ベランダ防水」
ベランダは住戸ごとに使用状況が異なるため、防水の劣化スピードにも差が出やすい場所です。
主な施工法は「ウレタン防水」や「FRP防水」が多く、どちらも比較的狭い面積の施工に適しています。
ベランダ防水工事では、施工中は騒音や臭いが発生するため、洗濯物の取り込みや在宅時間への配慮が必要です。
特に居住者から工事を依頼された場合、事前に丁寧な説明を行い、理解を得ることがトラブル回避につながります。
また、管理規約によっては費用を居住者が負担するケースもあるため、管理組合としても対応方針の確認が重要です。
ベランダ防水のことを詳しく知りたい方は、ベランダの劣化サインや劣化状態にあった施工法を解説している、こちらの記事も参考にしてください。
居住者の安全に直結する「共用廊下・階段の防水」
共用廊下・階段の防水は、滑りにくさと静音性を確保するための重要な工事。
主に使われるのは「長尺シート(防滑シート)」や「塩ビシート」です。
共用廊下・階段の防水工事は外壁塗装とセットで行われることが多く、大規模修繕の一環として実施されるのが一般的です。
ただ、著しい劣化やシートの浮き・剥がれなどがある場合には、共用廊下・階段だけの防水工事を検討しましょう。
仕上がりイメージを知りたい方は、以下の施工事例も参考にしてみてください。




マンションの防水工事で騒音・臭いは発生するの?

防水工事では騒音や臭いの発生は避けられません。
特に高圧洗浄や下地処理を伴う工程では作業音が大きくなりやすいです。
また、溶剤系の塗料など一部の防水材は強い臭気を伴うため、換気や一時的な在宅制限の案内が必要なケースもあります。
居住者対応としては、「工事前の説明会」「掲示板や張り紙での周知」「日程表の配布」などが有効です。
こうした丁寧な情報提供があれば、居住者の不安を和らげ、工事への理解を得やすくなります。
結果として、トラブルの回避やスムーズな工事の進行につながります。
マンションの防水工事に足場は必要?それとも不要?

マンションの防水工事で足場が必要かどうかは、工事を行う場所や建物の構造によって異なります。
屋上やベランダの防水工事では、安全性の確保や施工範囲の広さ、高所作業の有無によって足場が必要になるケースがあります。
資材の搬入が難しい場合には、簡易足場や部分的な足場を設置して応することも。
足場の有無によって工事費用は大きく変わるため、事前に業者へ確認するのが大切です。
マンションの防水工事に助成金・補助金は使える?

マンションの防水工事では、自治体の助成金や補助金を利用できる場合があります。
申請には工事前の事前申請や、完了報告の提出が必要なことが多いため、工事の計画段階で自治体の担当窓口に確認しましょう。
助成金制度は年度ごとに内容が変わることもあり、申請期間や申請書類の不備による受給漏れも起こりやすいため、早めの情報収集と準備が欠かせません。
そのため、自治体のホームページで情報を集めましょう。
マンションの防水工事を依頼する際の3つのポイント

マンションの防水工事はどんな業者に依頼すれば良いのか気になりますよね。
ここでは、業者選びの3つのポイントを紹介していきます。
1. マンションの防水工事の実績を確認する
1つ目のポイントは、「マンションの防水工事における施工実績がどれだけあるか」です。
戸建て住宅とは違い、マンションでは広い面積や複雑な構造に対応する必要があります。
そのため、マンション特有の条件を理解し、実績を積んできた業者であれば、安心して任せられるでしょう。
2. 国家資格を持つ職人が在籍しているか確認する
マンションでの施工実績に加え、国家資格を持つ職人が在籍していれば、その業者は技術力が高いといえます。
たとえば、「防水施工技能士」という資格は、防水工事に関する専門的な知識と技術を証明するものです。
この資格を持つ職人がいる業者なら、安心して工事を任せられるでしょう。
3. 複数の業者から見積もりを取る
防水工事を依頼する前には、複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」がお勧めです。
その際には、見積書の中身をしっかりと確認しましょう。
工事の合計価格だけの曖昧な記載だけでは、具体的な作業内容がわからず、後から追加料金を請求されるリスクもあります。
また、工事面積についても、どの場所をどれだけ施工するのか、きちんと根拠を示してもらうことが重要です。
誰が見ても「どこに」「どんな工事を行うのか」が明確に記載されていることが理想です。
少しでも不明点がある場合は、納得できるまで業者に説明を求めましょう。
マンションの防水工事なら株式会社アクアスにお任せ!
この記事を通じて、マンションの防水工事に関する基礎知識や判断のポイントを把握できた方も多いはずです。
ただ、実際にどの工法を採用すべきかは、建物の構造や劣化の進行具合によって異なります。
最適な判断を下すには、専門知識を持つ業者に現地調査を依頼し、正確な状況を確認してもらうことが重要です。
株式会社アクアスは、マンションの防水工事に多数の実績を持つ職人直営の防水会社です。
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