防水工事の仕組みや種類など【防水工事とは】をプロが徹底解説!

「防水工事がどんな工事なのか知りたい」「防水工事と塗装工事は何が違うのか」など、防水工事について専門的なことはよくわからないという方は多いと思います。

この記事では一級防水施工技能士の資格を持つ防水工事のプロが、防水の仕組みや代表的な施工法、工事が必要なタイミングの見極め方など、防水工事を依頼する前に知っておきたい情報をまとめて解説いたします。

目次

建物の価値と美観を維持するために必要な防水工事

防水工事とは、雨水や湿気などの侵入を防ぐため、建物の屋根やベランダなどに防水処理を施す工事のことです。
水の侵入を防ぐことで、雨漏りから生じる建物内部の腐食や、カビ・シロアリの発生を防ぐほか、建物の美観を保つ効果もあります。
建物に長く住むには、雨水による劣化を防ぐ防水工事は必要不可欠です。

知っておきたい防水工事の仕組みと種類

防水工事の仕組みは基本的に下地(板材やコンクリート床)の上に、防水層、トップコートの2層を塗布し水の侵入を防ぎます。

使う材料によっては、防水の仕組みや工事の種類が異なり、大きく分けると「塗る」防水と、「張る」防水があります。

防水材料を塗って防水層を作る「塗膜防水」

塗膜防水とは、液状の防水材料を複数回塗って、つなぎ目のない防水層をつくる防水施工法。
施工箇所の広さや形状、材質を選ばず施工できるため、よく使われる施工法となっています。

防水層に厚い箇所と薄い箇所ができないように均一かつ、つなぎ目がないように塗る必要があるため、職人の技術によって仕上がりが大きく左右されます。
よく使われる塗膜防水には、ウレタン防水やFRP防水があります。

防水シートを張り合わせて防水層を作る「シート防水」

シート防水とは、塩化ビニール樹脂で作られた防水シートを、下地か緩衝材の上に張り合わせて防水層を作る防水施工法。
防水剤を乾かす時間がなく、施工に必要な機材が少ないため、低コスト・短納期で防水できるのが最大の特徴です。

ただ、シートのつなぎ目部分の処理が甘いと漏水の原因になるため、職人の技量差が出やすい面があります。
よく使われるシート防水には、塩ビ防水(塩化ビニール防水)があります。

塗膜防水とシート防水を組み合わせた防水工事

「塗る」と「張る」を組み合わせた防水として知られているのが、最も古くから採用されているアスファルト防水です。
アスファルト防水とは、加熱して溶かしたアスファルトを利用して、防水シートを貼りつけていくため、塗膜防水とシート防水のメリットを集約したような施工法です。

他の施工法に比べて耐久性が非常に高いため、大型施設や大きなマンションの屋上に数多く施工されています。
一方で、防水層の重量があるので、耐震性のない建物や木造の建物には向いていません。

代表的な4つの防水施工法

紹介した3種類の中には様々な防水施工法がありますが、以下の代表的な4つの防水施工法を把握しておきましょう。

  • ウレタン防水
  • 塩ビ防水
  • FRP防水
  • アスファルト防水

この4種類の特徴や施工に適している場所、耐久年数も説明していきます。

様々な場所に施工できる対応力を持つ「ウレタン防水」

まずは4種類の防水施工法の中でも、最もよく採用されるウレタン防水から説明していきます。
ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を複数回塗って、つなぎ目のない防水層を形成する防水施工法です。

特徴施工する面の広さや形状、材質を問わず施工できる。
適している場所屋上・ベランダに最適。段差や複雑な形状にも対応。
耐久年数10年〜15年

低コストで対応力が高いシート防水「塩ビ防水」

シート防水と呼ばれることも多い塩ビ防水(塩化ビニール防水)がどんな施工法なのか解説していきます。
「塩ビ防水(塩化ビニール防水)」とはその名の通り、塩化ビニール樹脂で作られた防水シートを、下地か緩衝材の上に貼って防水層を作る防水施工法です。

特徴他の防水施工法と比べて低コスト・短納期
適している場所大型施設や大きな建物の屋上
耐久年数10〜15年

建物への負担が少なく木造住宅に向いている「FRP防水」

塩ビ防水の次は、木造住宅に使われることが多いFRP防水について解説していきます。
FRP防水とは、下地の上にFRPシートを敷き、更に上から液状のプラスチック樹脂とトップコートを塗って硬化させる方法です。

特徴軽量で強度や耐食性に優れている
適している場所木造住宅
耐久年数10年

最も耐久性が高く大きい建物に向いている「アスファルト防水」

最後に数ある防水工事の中で、最も高い耐久性を誇るアスファルト防水を解説していきます。
アスファルト防水とは、アスファルト材料を使用して防水層を形成する防水施工法です。

特徴耐用年数が長い
適している場所大型施設や大きな建物の屋上
耐久年数15〜30年

防水工事が特に必要な3つの場所

ここまで様々な防水施工法を紹介してきました。
次は具体的にどの場所に防水工事が必要なのか解説していきます。

防水工事が必要な場所1)平らな屋根(陸屋根)や屋上

平らな屋根や屋上は、傾斜がないことから水が溜まる可能性が高く、雨漏りのリスクは一般的な屋根に比べて高いといえます。
近年デザイン性を重視して用いられるのが陸屋根です。
水が溜まらないように緩やかな傾斜がついていますが、一般的な三角屋根と比較すると水はけは良くありません。
そのため、平らな屋根や屋上からの雨漏りを防ぐために、防水工事が必要となります。

防水工事が必要な場所2)ベランダ・バルコニーの床

ベランダやバルコニーの床は、一般的に四方が壁に囲まれていたり、勾配がほとんどなかったりと水が流れにくい形状です。
さらに、内側部分の日当たりも悪く、水が溜まってしまうとなかなか乾きにくい構造になっており、雨漏れしやすい特徴があります。

防水工事が必要な場所3)外壁

外壁には防水材料を塗る防水工事はありません。
防水性能の高い塗料を使用した塗装工事のことやひび割れを塞ぐコーキング打ちなど、外壁からの雨漏りを防ぐ工事全般を外壁の防水工事といいます。
外壁には塗料が塗られており、その塗膜が雨水の侵入を防いでいますが、紫外線や雨水の影響などで劣化し10年程度で防水性能が低下します。
また、地震の振動や経年劣化などによりひび割れが発生します。
外壁塗膜の耐久年数を過ぎていたり、ひび割れを発見したりした場合は、すぐにメンテナンスが必要です。

防水工事が必要な5つのタイミング

新築時はもちろんですが、家を建ててから10年以上経過すると、建物全体が経年劣化します。
そのため、劣化状態を把握し、防水工事のタイミングを見極めることが大切です。

タイミング1)新築を建てる時

新築時に防水工事を行うことは、建物を長期にわたって保護する基盤を築くことになります。
特に屋根やバルコニー、ベランダなどの水の侵入が予想される箇所には、最初から適切な防水処理を施すことが重要です。
新築時の防水工事の立会い検査では、できるだけ広範囲に防水工事の様子を確認しましょう。

タイミング2)耐久年数を過ぎたら

あらかじめ防水工事の周期を把握しておくことも重要です。
定期的なメンテナンスは建物の寿命を延ばすことに繋がるため、施工法によって耐久年数は異なりますが、およそ10〜15年周期で防水工事を行うのが一般的です。
各工法の耐久年数を表にまとめる下記の通りです。

工法耐久年数
ウレタン防水10〜15年
アスファルト防水15〜30年
塩ビ防水(シート防水)10〜15年
FRP防水10年

タイミング3)トップコートが劣化したら

トップコートとは、防水層を紫外線から保護する塗膜のことです。
防水層にトップコートを塗らないと、紫外線や雨の影響を直接受けてしまい、防水層が劣化します。

トップコートも長年紫外線を浴び続けることで色褪せや剥がれ、ひび割れなどの劣化が起こります。
トップコートの劣化は防水層の劣化につながるため、大体5年ごとにトップコートの塗り直しをしましょう。

タイミング4)防水シートの剥がれや膨れ

塩ビ防水などのシート防水に使われるシートは、経年劣化による破れや膨れなどが発生します。
結露や湿気の影響でシートの下に水分や湿気が残っていると、熱により気化してシートが膨らみ、膨れている箇所が破れてしまいます。

特にシート防水は、複数枚のシートを貼り合わせて防水層を形成するため、劣化していくとシートのつなぎ目が剥がれる可能性が高いです。
定期的に膨れや破れなどが起きていないか、劣化状態を把握しておくことが大切です。

タイミング5)雨漏りしたら

雨漏りの原因は、屋根や屋上防水の劣化や外壁の劣化などさまざまな要因が挙げられます。
ご自身で雨漏りの原因を突き止めたと思っても、原因や修理方法が間違っている場合は雨漏りを防げません。
そのため、雨漏りしている場合は、一刻も早く業者に修理の依頼をしましょう。

定期点検・メンテナンスは業者に依頼しよう

定期点検・メンテナンスを行うことで、トップコートや防水シートの劣化、剥がれや膨れなどに気づき早めの対処が可能です。
各工法の耐久年数を把握し、耐久年数が経過する前にメンテナンスを実施するのが大切です。
耐久年数を過ぎてしまった場合は、劣化が目立たなくても早めに工事を依頼しましょう。

また、雨漏りを防ぐことは工事費用を抑えることにもつながります。
雨漏りしてからの工事は調査・修繕・防水工事となり、修繕の工程が増えるため、工事費用が高くなってしまいます。

業者に依頼する前に知っておきたいこと

防水工事は建物の耐久性に大きく影響する上に、工事費用も安くはないため、防水工事の施工法と業者選びには失敗したくないですよね。
施工業者を依頼するにあたって、「依頼する業者は合っているか」「自社で施工しているかどうか」「防水施工技能士などの資格者が在籍しているかどうか」などを確認することが大切です。
また複数の業者見積もり比較して、工事費用の妥当性をチェックすると共に、アフターサービスや工事保証の有無を忘れずに確認しておきましょう。

防水業者と塗装業者の違いとは?

「防水業者と塗装業者の違いがわからない」「外壁の工事はどちらの業者に依頼すればいいのか?」と悩まれる方も多いと思います。
塗装業者は、外壁や屋根など建物全体の表面を保護し、美観を保つ工事を専門としています。
塗装による防水効果も期待されますが、外部からの損傷や劣化を防ぎ、建物を美しく保つことが塗装工事の目的です。

一方で、防水業者は屋根やベランダ、外壁などの雨漏りの修理や防水性能の向上を専門としています。
工事を依頼する際は、その業者が得意とする分野や専門性を考慮して、適切な業者に依頼しましょう。

費用を抑えたい時は自社施工の会社に依頼

防水業者は一般的に知られておらず、防水工事であるのに塗装業者や工務店に依頼する方が多いです。
防水に必要な防水層の形成は防水業者にしかできません。
施工の正確さや中間マージンをなくして費用を抑えられるため、塗装業者や工務店に見積もりを依頼された場合は、防水業者と比べてみてください。

防水工事のお悩みなら株式会社アクアスへ

いかがでしたか。この記事を読めば防水工事がどんな工事かはご理解いただけたかと思います。
防水工事は建物内部への水の侵入を防ぎ、建物の強度や美観を向上させるために、定期的なメンテナンスで状態を維持していくことがとても重要です。

防水工事の基本的な知識を知ることは大切ですが、無料で現地調査と見積もりできる業者も多いため、建物の劣化が心配な方は無料見積もりしてくれる業者へ相談しましょう。

このページを制作している株式会社アクアスなら、無料で現地調査から見積もりまで可能です。
職人直営・自社施工のため、中間マージンがない適正な価格で長持ちする防水工事ができます。
「一級防水施工技能士(改質アスファルトシートトーチ工法防水工事作業)」と「ウレタン塗膜防水 1級技能士」の資格を持った職人も在籍しており、防水技術には絶対の自信があります。ぜひ、お気軽にご相談ください。

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