基礎防水とは?基礎に防水工事を施す理由と雨染みのリスクをプロが徹底解説

基礎は建物を支える重要な部分であり、同時に雨水や湿気にさらされやすい箇所でもあります。
しかし、多くの方が基礎防水の重要性について深く考える機会は少ないのではないでしょうか。

この記事では、基礎に防水工事を施す理由や、そのメリット・デメリット、さらには防水処理をしないことで生じるリスクについて防水工事のプロが詳しく解説。
また、防水工事にかかる費用相場や劣化のサインについても触れていきます。

基礎防水の重要性を理解することは、住宅の長期的な健康を守るための第一歩です。
この記事を参考に、最適な防水処理を施すことで、将来的に高額な修理費用や建物の大規模な補修を避けられ、長期間にわたって安心して住み続けられるでしょう。

目次

基礎防水とは

まず、「基礎防水」とは何かを説明する前に、「そもそも基礎とは?」と疑問に思う方もいるかもしれません。

基礎とは、建物を支えるために地盤と建物の間に設けられるコンクリートの土台のことです。「基礎コンクリート」とも呼ばれます。
この基礎を紫外線や雨水などから守るために施す塗装を「基礎防水」または「基礎塗装」と言います。

なぜ基礎にも防水工事が必要なのか

外壁や屋上の防水工事が大切なのは理解しやすいですが、「基礎にも防水が必要なの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

結論として、基礎にも防水工事は欠かせません。
住宅の基礎はコンクリートやセメント、モルタルなどで作られていますが、これらの素材には防水性がなく、雨にさらされると水を吸収してしまいます。
雨漏りして基礎が劣化すると、地震の揺れを吸収する性能が低下し、建物の安全性や耐久性に影響。

そのため、外部からの水の侵入を防ぎ、建物を長持ちさせるためには基礎防水が重要です。
すでに基礎が大きく劣化している場合は、補修工事を行った上で防水処理すると、より高い防水効果が得られます。

基礎防水を施すメリット・デメリット

ここからは、基礎防水のメリット・デメリットについて、それぞれ詳しく紹介していきます。

基礎防水を施す3つのメリット

基礎防水を施すことで、水の侵入を防げるのはもちろんですが、それだけではありません。
実は、基礎防水には他にもメリットがあります。

基礎防水することで得られる3つのメリットは以下の3つ。

  1. コンクリートのひび割れや崩落を防げる
  2. 建物をきれいに保てる
  3. カビやコケの発生を抑えられる

では、それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

メリット1)コンクリートのひび割れや崩落を防げる

基礎防水のメリットの一つは、コンクリートの中性化を防げることです。

コンクリートは本来アルカリ性ですが、湿気や二酸化炭素と化学反応を起こすと中性化し、内部の鉄筋が錆びて腐食してしまいます。
腐食した鉄筋は体積が2倍以上に膨張し、コンクリートを内側から押し出すことで、ひび割れや崩落の原因になります。
そのため、湿気や二酸化炭素の侵入を防ぎ、中性化を抑えるためにも基礎防水は重要です。

メリット2)建物をきれいに保てる

基礎防水のもう一つのメリットは、建物の美観を保てること。

雨水にさらされる基礎は、時間が経つと雨水を吸収して黒ずんだり、ひび割れが生じたりして、見た目が悪くなります。
基礎防水を施すことで、基礎表面がきれいに保たれ、ひび割れも補強されるため、美観を維持できます。

メリット3)カビやコケの発生を抑えられる

水分を吸いやすいコンクリートは、湿気を好むカビや苔が発生しやすいです。
基礎防水を行うと、水分の浸透を防ぎ、カビやコケの発生を抑えられます。

基礎防水を施す2つのデメリット

基礎防水を施すことで基礎表面がきれいになり、ひび割れも補強できますが、メリットばかりではなくデメリットも存在します。
ここでは、基礎防水に伴う2つのデメリットについて解説します。

  1. 内部の劣化までは防げない
  2. 劣化や水漏れに気づきにくい

デメリット1)内部の劣化までは防げない

基礎防水は、基礎表面に防水処理を施して、水分や湿気、二酸化炭素の浸透を防ぎます。
そのため、保護できるのはあくまで表面のみで、内部の劣化までは防げません。

デメリット2)劣化や水漏れに気づきにくい

基礎表面はきれいになりますが、内部の劣化状況が確認しにくいというデメリットもあります。
水漏れが発生していても基礎表面にはその症状が現れないため、早期に気づくことが難しいです。

そのため、基礎防水を行う前には、まず基礎を補修してから防水処理を施すことをお勧めします。

基礎防水していないことで生じる「雨染み」のリスク

基礎防水を施していないと、雨染みによるさまざまなリスクが生じます。

まず、基礎の色が濃くなっている場合、それは雨水を吸収しているサインです。
コンクリートが水分を含むと、乾燥時に水分が蒸発して体積が減少し、収縮を引き起こします。
収縮時に内部で引っ張り力が生じ、それが耐えられなくなるとひび割れが発生。

ひび割れから雨水が染み込むと、内部の鉄筋が錆び始めます。
錆びた鉄筋は膨張し、コンクリートを押し出すことで「爆裂現象」を引き起こし、最終的に基礎が崩れる原因となります。
爆裂現象が進行すると、基礎の強度が低下し、排水管の破損などの二次的な被害にもつながります。
また、基礎が水分を吸収すると床下の湿度が上がり、シロアリの発生リスクも高まります。

これらのリスクを防ぐためには、基礎をしっかり防水し、雨水の浸入を防ぐことが重要です。

基礎が雨染みする7つの原因

雨染みによる建物への影響が理解できたら、次に「なぜ基礎が雨染みするのか?」と疑問に思う方も多いはずです。
ここからは、基礎コンクリートが雨染みする7つの原因をご紹介。

  1. 地面からの水分を吸収してしまう
  2. 雨水の跳ね返り
  3. 給水管の劣化による漏水
  4. 雨樋の詰まりによる漏水
  5. 植木や鉢植えへの水やり
  6. 雨水浸透枡の詰まり
  7. 基礎と建物の隙間からの雨漏り

コンクリートが水分を吸収するとさまざまなリスクが生じるため、これから説明する原因を理解し、雨染みを防ぐために注意しましょう。

原因1)地面から水分を吸収してしまう

水はけが悪い土地や排水性の低い庭では、雨水が地面に溜まりやすくなります。特に、土壌の透水性が低いと、水分が浸透せず長時間滞留します。
その結果、基礎が地面から水分を吸収し、湿気が建物に影響を及ぼす可能性があります。

また、周囲の土地よりも低い位置に基礎があると、高い場所から流れ込んだ雨水が溜まりやすく、状況がさらに悪化することも。
こうした問題を防ぐためには、適切な排水対策や地盤改良が重要です。

原因2)雨水の跳ね返り

雨が降ると、地面に落ちた水が跳ね返り、基礎に当たります。
短期間なら問題はありませんが、これが何年も続くと、水分が少しずつ染み込み、雨染みが目立つようになります。
特に排水がうまくいかない場所では、水はねによる影響が大きくなりやすいです。
長期間放置すると、コンクリートが劣化する原因になるため、早めに対策を考えることが大切です。

原因3)給水管の劣化による漏水

築20年以上の住宅では、給水管が劣化し、漏水が起きやすくなります。
特に床下での漏水は気付きにくく、そのまま放置すると建材が水分を吸い込み、カビや腐食が進行する原因となります。
水道料金が急に高くなったり、室内で異臭を感じる場合は、床下での水漏れが疑われます。
早めに専門業者に点検を依頼し、必要に応じて給水管の補修や交換を検討しましょう。

原因4)雨樋の詰まりによる漏水

雨樋は屋根に降った雨水を地上に流す大切な役割を担っていますが、落ち葉やゴミが詰まったり、雨樋が割れてしまうと、水が漏れ出す場合があります。
漏水が発生すると、雨水が壁を伝って流れ、基礎に染み込んでしまう恐れがあります。

このまま放置すると、建物の劣化やひび割れを引き起こす原因になるため、雨樋の修理や交換が必要です。

原因5)植木や鉢植えへの水やり

鉢植えを基礎の近くで育てている場合、水やりに注意が必要です。
草花に水を与える際、基礎にも水がかかる場合があります。

雨染みが進行すると、コンクリートにひび割れや劣化を引き起こす原因になりかねないため、水やりの際にはコンクリートに水がかからないよう工夫しましょう。

原因6)雨水浸透枡の詰まり

雨水浸透枡は雨樋から流れてきた雨水を溜め、地面に浸透させるための設備です。
しかし、浸透枡に詰まりや不具合が生じたりすると、雨水がうまく浸透せず、庭に溢れ出してしまいます。

そのまま放置すると、溢れた雨水が基礎に吸収され、建物の基礎にダメージを与える可能性があるため、定期的な点検とメンテナンスが必要です。

原因7)基礎と建物の隙間からの雨漏り

通常、建物と基礎の接続部分には、水切りが施されており、基礎に直接雨水が当たらないようになっています。
しかし、水切りが破損している場合、雨水が基礎に流れ込み、雨染みしてしまいます。
水切りが破損している場合は、業者に交換を依頼しましょう。

基礎が劣化している3つのサイン

雨水が染み込むことで、基礎は徐々に劣化していきます。
劣化が進行すると建物全体に影響を及ぼすことがあるため、早期に対処することが重要です。

以下に、基礎が劣化しているサインを3つ紹介します。
これらの兆候が見られた場合は、早めに専門業者に補修を依頼することをお勧めします。

  1. コンクリートのひび割れ
  2. コンクリートの崩落
  3. 基礎表面のモルタルの浮き

サイン1)コンクリートのひび割れ

ひび割れは基礎が劣化しているサインの一つ。
横方向や縦方向のひび割れが見られる場合、雨水が隙間から侵入している恐れがあります。

雨水がコンクリート内部に浸透すると、膨張や錆びを引き起こし、基礎がさらに劣化する可能性があります。
最終的には、基礎の崩落を招くこともあるため、早期発見が大切。
ひび割れを発見したら、すぐに専門業者に相談し、適切な補修を行いましょう。

サイン2)コンクリートの崩落

コンクリートにひび割れが生じたまま放置すると、内部の鉄筋が雨水により腐食し、錆びて膨張します。

通常、コンクリートと鉄筋は相性が良く、鉄筋は腐食しませんが、ひび割れがあると湿気や二酸化炭素と反応し、化学変化が進んで鉄筋が膨張。
その膨張によりコンクリートが押し出され、最終的には崩落します。これを「爆裂現象」と呼びます。

爆裂現象が進行すると、基礎の強度が大きく低下し、建物の耐久性や安全性に影響するため、早期の補修が必要です。

サイン3)基礎表面のモルタルの浮き

モルタルの浮きとは、モルタルと表面塗装との接着力が弱まり、モルタルが浮き上がる現象。

地震などの揺れで建物が変形したり、ひび割れや爆裂現象が発生したりすると、モルタルが浮き上がってしまい、基礎の耐久性や安全性が低下します。

モルタルの浮きが見つかった際は、速やかに修理や補修を行い、さらなる劣化を防ぎましょう。

基礎防水に使用される主な塗料の種類

ここからは、基礎防水に使用される塗料の種類と特徴を見ていきましょう。

基礎防水には、主にエポキシ樹脂塗料、ポリウレタン塗料、アクリル塗料が使用されます。以下にそれぞれの特徴をまとめました。
建物の状態や費用、耐久性を考慮し、防水業者と相談しながら適切な塗料を選ぶことが重要です。

塗料種類特徴
エポキシ樹脂塗料耐久性・密着性が高く、防水効果が長持ち
ポリウレタン塗料柔軟性があり、ひび割れに強い
アクリル塗料価格が安く、施工が簡単だが耐久性は低め

基礎防水の費用相場

では、基礎防水がどのくらいの費用でできるのか気になりますよね。
基礎防水の費用は、使用する塗料の種類や施工面積によって異なりますが、一般的な相場は1㎡あたり3,500~5,000円です。

同じ工事でも業者によって価格や施工内容が異なるため、複数の施工業者に見積もりを依頼し、比較するのがお勧めです。
費用だけでなく、保証内容や実績も確認し、納得のいく業者を選びましょう。

自分でも基礎防水できる?

基礎防水はDIYでも可能ですが、いくつか注意点があります。
基礎防水は表面を保護するもので、ひび割れや劣化がある場合、単独で防水を施しても効果が薄いです。
まずは基礎コンクリートを補修し、その上で防水を施すことが重要。

補修作業を業者に依頼し、防水だけをDIYで行う方法もありますが、塗料を厚く塗りすぎると乾燥不良やひび割れが起こるため、塗装の際には適切な厚さで塗ることが大切です。

また、正しい手順で施工しないと密着性が悪くなり、塗膜が剥がれやすくなるため、確実に効果を求めるなら専門業者に依頼する方が安心です。

基礎防水でお困りなら株式会社アクアスへ

一般住宅の基礎部分には防水性がなく、雨水の浸透や経年劣化によりひび割れや雨漏りが発生しやすい特徴があります。
これを放置すると、建物全体の耐久性にも影響を及ぼす可能性があるため、まずは補修工事を行い、その上で適切な防水工事を施すことが重要です。

とはいえ、ここまで読んだ方の中には以下のような不安を抱えている方もいるかと思います。

「補修工事と防水工事を両方やるとなると費用が心配だな。」
「補修と防水、それぞれ業者を分ける必要があるのかな?」
そんな悩みをお持ちの方は、ぜひ株式会社アクアスにご相談ください。

株式会社アクアスでは、基礎部分の補修から防水工事まで一貫して対応しております。
無料で現地調査を行い、お客様としっかりコミュニケーションを取ったうえで、基礎を長持ちさせるための最適な施工をご提案いたします。
基礎防水でお困りの際は、お気軽に株式会社アクアスまでお問合せください。

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