福祉施設の防水工事が必要な理由と補助金の基礎知識を防水のプロが解説

福祉施設を運営する中で、屋上や外壁の劣化や雨漏りが気になりながらも、利用者への影響や一時的な運営停止を考えて、防水工事を先延ばしにしていませんか。
大規模修繕を検討している管理者の方も、建物の築年数や過去の工事履歴を踏まえると、どこから手をつけるべきか迷うはずです。

ただ、防水工事を後回しにすると、漏水による床の滑りや設備トラブルなど、安全面のリスクが高まります。
さらに、建物内部の劣化が進むと、将来的に修繕費用が大幅に増加する原因にも。

そこで本記事では、福祉施設特有の制約や運営への影響を踏まえ、防水工事が必要か判断するポイントや、部位別に適した工法、さらには補助金の活用可否まで詳しく解説します。

これを読むことで、雨漏りのリスクを未然に防ぎ、利用者の安全と施設運営を守りながら、長期修繕コストを抑える判断ができるはずです。

目次

福祉施設の防水工事はなぜ必要?

福祉施設では、施設を長く安全に使用し続けるために、防水工事が欠かせません。
特に利用者の多くが高齢者や子ども、身体に不自由を抱える方である点を考えると、一般的な建物以上に慎重な維持管理が求められます。

ここでは、福祉施設の防水工事がなぜ必要なのかを、運営面と安全面の観点から3つ紹介します。

1. 利用者・職員への安全を守るため

福祉施設で防水工事が特に重要とされる理由の一つは、利用者と職員の安全を守ることです。
防水性能が低下すると雨漏りが発生し、その結果、床が濡れて滑りやすくなります。
高齢者や身体に不自由を抱える方が多く利用する福祉施設では、わずかに床が濡れるだけでも転倒事故の原因となる可能性があります。

漏水が照明や配線などの電気設備にまで及ぶと、感電や設備故障などの重大なトラブルを引き起こす場合も。

また、雨漏りや湿気が続くと、カビが発生しやすくなり、アレルギー症状や体調不良の原因になります。
衛生環境を良好に保つためにも、防水工事は欠かせない重要な対策です。

2. 施設を安定して運営させるため

福祉施設では防水工事を後回しにすると、施設運営に直接影響が出る場合があります。
特に雨漏りが発生すると、居室や共用フロアの一部を閉鎖せざるを得ず、施設の一時的な運営制限につながります。

また、計画的な工事を行わずにいると、突然の雨漏りで緊急対応が必要になる場合が多いです。
その結果、費用がかさみ、施設にとって大きな負担となります。

さらに、雨漏りや建物の劣化を放置すると、行政監査や指導の対象になる可能性も。
福祉施設では安全性や衛生管理が重視されるため、防水性能(雨水の侵入を防ぐ性能)が低下すると、運営リスクとして認識されやすいです。

安定した施設運営を続けるため、防水工事はトラブルが発生する前に計画的に検討することが重要です。

3. 長期的なコストを抑えるため

防水工事を計画的に行うことは、長期的なコストを抑えるために非常に重要です。
劣化を放置し続けると、防水性能の低下が進み、被害が広がりやすくなります。

例えば、屋上や外壁の劣化を放置すると、雨水が建物内部に侵入し、建材の腐食につながります。
その結果、防水工事だけで済むはずが、大規模修繕として多額の費用が必要になることもあります。

また、応急処置を繰り返すと、「一時的に雨漏りは止まるが、すぐ再発して再度補修が必要になる」といった悪循環に陥ることも。
早い段階で防水工事を行うことで、建物全体の劣化を抑え、計画的な維持管理が可能になります。
福祉施設の安定した運営を継続するためには、長期的な視点でのコスト管理が欠かせません。

福祉施設の防水工事が必要な3つのケース

福祉施設で防水工事が必要になるケースは、主に3つに分けられます。ご自身の施設が、どのケースに当てはまるか確認してみましょう。

1. 緊急対応が必要なケース

福祉施設では、雨漏りや建物の劣化が利用者や職員の安全に直結するため、場合によっては迅速な対応が求められます。

1つ目のケースは、雨漏りが施設内に影響を及ぼしている場合です。
天井や壁からの漏水は、床の濡れによる転倒や設備トラブルを引き起こし、利用者の安全リスクを高めます。

2つ目のケースは、建物の劣化が進行している場合です。
外壁の剥落やコンクリートの構造損傷は、放置すると建物の耐久性に大きな影響を与え、最悪の場合には部分的な使用停止や大規模修繕が必要になることもあります。

このような状況では、計画的な工事よりも緊急対応が優先されるため、速やかに専門業者へ相談しましょう。

2. 計画的な対応が可能なケース

計画的な対応が可能なケースは、比較的被害が軽微な場合です。

例えば、屋上や外壁の軽微なひび割れ、窓まわりのシーリング劣化などが該当します。
これらの劣化箇所は、雨漏りや構造的なダメージに至る前に補修できるため、事前に工事計画を立てて対応可能です。

このようなケースでは、予算や工期を計画的に調整できるため、安心して施設の管理を続けられます。

3. 大規模修繕工事が必要なケース

福祉施設における防水工事は、大規模修繕工事と密接に関連しています。
築年数や過去の工事履歴を参考にして、防水工事の適切なタイミングを検討することが重要です。
防水工事を計画的に進めることで、予算や工期の無駄を減らし、施設の安全性を確保できます。

防水工事の優先度の目安としては、屋上、バルコニー、外壁の順に点検・補修を行うと効率的です。
屋上は雨水の影響を最も受けやすく、劣化が進むと建物全体に影響を及ぼすため、まず点検する必要があります。
バルコニーや外壁も、防水層(防水の膜)の劣化が進むと雨漏りや建物構造へのダメージにつながるため、屋上と同じ時期に点検・補修することが推奨されます。

福祉施設の防水工事で国の補助金は活用できる?

福祉施設の防水工事では、国や自治体が実施する補助金制度を活用できる場合があります。
ここでは、国の補助金が使える条件と補助金の基準について解説します。

各自治体の補助金制度については、市区町村の窓口や公式サイトで確認しましょう。

国の補助金が使える2つの条件

福祉施設の防水工事では、一定の条件を満たすことで、国の補助金を活用できます。
国の補助金を利用するための主な条件の一つは、施設改修、または長寿命化改修の一環であること。
具体例としては、屋上や外壁の防水工事など、老朽化した施設の改修工事が補助金の対象となります。

補助金を受けるもう一つの条件は、施工内容が一定の基準を満たしていることです。
補助金の対象となるには、工事が計画的に行われ、法令に適合していることが求められます。
一方で、過去の維持管理の不備や施工不良による工事は対象外となります。

国の補助金の基準

国の補助金を受けるための基準は、原則として総事業費が施設延面積×4,000円以上であり、最低でも工事費が1,000万円(入所施設以外は500万円)を超えることが必要です。
工事費の基準価格は、公的機関または施工業者の見積もりのうち、低い額を目安とします。

これらの基準を踏まえ、国の補助金を活用しながら計画的に防水工事を進めることが、施設運営の安定につながります。

参照:社会福祉施設等施設整備費における大規模修繕等の取扱いについて(◆平成07年11月30日社援施第171号)

部位別!福祉施設で選ばれる防水工事の工法

福祉施設では屋上・バルコニー・外壁など、部位ごとに適した防水工事の工法があります。
部位ごとに最適な工法を選ぶことで、施設の安全性を確保し、安心して運営できる環境を維持することにつながります。

ここからは、屋上、バルコニー、外壁ごとに適した防水工事の工法について紹介します。

屋上の防水工事に適した3つの工法

屋上の防水工事では、屋上の構造や既存の防水層(防水の膜)に適した工法を選ぶことが重要です。
代表的な工法には、アスファルト防水、塩ビシート防水、ウレタン防水の3種類があります。

ここからは、それぞれの工法の特徴やメリット・デメリットを詳しく解説します。

1. 耐久性が最も高い「アスファルト防水」

アスファルト防水は、他の防水工法に比べて耐用年数が約10年ほど長く、メンテナンスが難しい大型施設の屋上によく採用される工法です。
また、防水工法の中でも歴史が古く、防水業界で高い信頼を得ています。

アスファルト防水工事には、以下のメリットとデメリットがあります。

メリットデメリット
他の施工法よりも耐用年数が長い施工できる箇所が限られる
最も古くからある防水施工法のため、信頼性が高い施工できる会社が少ない

2. 工期が短い!塩ビシート防水

塩ビシート防水とは、塩化ビニール樹脂で作られた防水シートを、屋上の下地や緩衝材の上に貼ることで防水層(防水の膜)を形成する工法です。

シートを貼るだけで防水層を作れるため、工期が短く済む点が特徴。
さらに、材料費や施工費を抑えやすいため、コストを重視する施設で多く採用されています。

塩ビシート防水のメリット・デメリットは、以下のとおりです。

メリットデメリット
防水剤を乾かす時間がない凹凸のある場所での防水には向いていない
施工に必要な機材が少ない
他の工法に比べて工程が少ない
紫外線や熱、オゾンに対する高い耐久性を持っている

3. 工事費が比較的安い「ウレタン防水」

ウレタン防水は液状の防水材を複数回塗って、つなぎ目のない防水層(防水の膜)を形成する工法です。
シートを貼る防水では対応が難しい、複雑な形状や細かい凹凸のある箇所でも施工できる点が特徴です。

メリットデメリット
防水施工する場所を選ばない職人の防水施工技術が仕上がりを大きく左右する
施工費用とメンテナンス費用が安い5年に1度メンテナンスが必要
施工中にウレタン樹脂の匂いが出る

バルコニーの防水工事に適した2つの工法

バルコニーは雨水が溜まりやすく、建物内部への漏水を防ぐために防水工事が欠かせません。
特に利用者が安全に過ごす場所であることを考えると、耐久性と施工性に優れた工法が求められます。

バルコニーの施工に適した工法には、「塩ビシート防水」「ウレタン防水」の2種類があります。

低コストで工事できる「塩ビシート防水」

塩ビシート防水とは、塩化ビニール樹脂でできた防水シートを下地や緩衝材の上に貼って防水層(防水の膜)を作る工法です。

屋上だけでなく、バルコニーにも採用されることが多く、マンションや住宅のバルコニーでも広く利用されています。
低コストで工事ができるため、福祉施設のバルコニーでも導入しやすい工法です。

2. 複雑な形状にも対応可能!ウレタン防水

ウレタン防水は、液状の防水材を複数回塗布して継ぎ目のない防水層を作る工法です。
屋上だけでなくバルコニーにも採用されることが多く、手すり周りや排水口など細かい凹凸が多い複雑な形状の箇所でも施工が可能です。

外壁の防水工事に適した2つの工法

外壁の防水工事には、既存の外壁材や劣化状況に合わせた工法選びが重要です。
では、外壁の防水工事に適した2つの工法を紹介します。

1. 外壁全体を保護する「塗膜防水」

塗膜防水は液状の防水材を外壁に塗り、乾燥・硬化させて防水層を作る工法です。
塗膜は外壁の凹凸や微細なひび割れにも密着し、水の侵入を防ぎます。

ローラーや刷毛で塗るだけで施工できるため、複雑な形状の外壁でも対応可能で、福祉施設の大きな外壁にも適しています。
また、定期的に塗り替えることで、防水性能を長期間維持できます。

2. 外壁の隙間を埋める!シーリング打ち替え

シーリングとは、外壁のつなぎ目や窓まわりなどの隙間にゴム状の防水材を充填する工法です。
隙間から雨水が入り込むのを防ぎ、建物内部への水の侵入を防ぐ役割があります。

シーリングは柔軟性があり、建物の揺れや温度変化による外壁の伸縮にも対応。
施工も比較的簡単で、劣化したシーリングを打ち替えることで、防水性能を回復させられます。

福祉施設の防水工事の費用相場

防水工事の費用は、使用する工法や施工箇所によって変わります。
ここでは、各工法の費用相場を表にまとめました。

工法費用相場(㎡)
アスファルト防水約5,000〜7,000円
塩ビシート防水約4,000〜7,500円
ウレタン防水約5,500〜6,500円
塗膜防水約5,500~9,000円
シーリング打ち替え約900~1,200円

防水工事を依頼する業者選びの4つのポイント

福祉施設の防水工事では、一般的な建物の工事とは異なり、利用者への配慮や施設特有の制約への対応が求められます。
施設の管理者としては、こうした特徴を理解したうえで、安心して工事を任せられる業者を選ぶことが重要です。

ここからは、福祉施設の防水工事を依頼する際に押さえておきたい業者選びのポイントを4つ解説します。

1. 福祉施設ならではの配慮ができるかどうか

福祉施設の防水工事においては、施設特有の配慮ができる業者かどうかが、最も重要なポイントです。
ここからは、施設運営に支障を与えないために業者が行うべき配慮について、具体的に解説します。

工事中の騒音や材料の臭い

防水業者は作業音や振動を抑える専用機器を使用し、作業時間を利用者の少ない時間帯に調整します。
さらに、臭いの少ない防水材を選び、作業エリアを養生したうえで吸気機械を用いて臭気の拡散を防ぎます。

工事中の利用者の動線確保

防水工事を行う場合、工事箇所は明確に区画し、通行禁止エリアや迂回ルートを分かりやすくします。
工事中の必要な出入りや緊急時の避難経路が確保されるよう、工事計画に組み込まれます。
さらに、段差や障害物の有無を定期的に確認し、滑り止めや手すりの設置など、移動時の安全対策も実施します。

このような対策を適切に行える業者であれば、施設の安全と快適さを確保しながら、安心して工事を進められます。

2. 施工実績が豊富かどうか

福祉施設ならではの配慮ができる業者は、福祉施設での施工実績が豊富であることがその証拠となります。

また、倉庫や工場、商業施設などの施工実績があるかどうかも重要です。
さまざまな施設の施工実績が豊富なほど、建物の構造や用途に応じた適切な防水工事を提案できることが多いからです。

このように、施工実績を確認することで、安心して工事を任せられる業者かどうか判断できます。

3. 見積もりの内訳が明確かどうか

防水工事を依頼する際、見積もりの内訳が明確かどうかも重要な判断ポイントです。
材料費、施工費、下地補修費、諸経費などが具体的に示されているかを確認しましょう。

内訳を細かく提示している業者は、施工内容や費用の透明性が高く、後から追加費用が発生するリスクも低いと判断できます。

逆に、大まかな金額のみで詳細が不明な場合は、工事後に予期せぬ費用が発生する可能性があります。

信頼できる業者は、見積もりの段階で工事内容や使用材料について丁寧に説明してくれます。
不明点があれば必ず質問し、納得できる回答を得られる業者を選びましょう。

4. アフターフォローが充実しているかどうか

防水工事では、工事完了後の定期点検も非常に重要です。
工事直後は問題がなくても、年月が経つと防水層(防水の膜)が劣化していきます。
そのため、施工後のアフターフォローが充実している業者を選ぶことが大切です。

具体的には、施工後の定期点検や保証内容、補修対応の有無を確認しましょう。
保証期間や対応範囲が明確であれば、万が一トラブルが発生した場合でも安心です。

特に福祉施設のように多くの人が利用する建物では、雨漏りや漏水が発生すると、安全面や運営面に大きな影響が出ます。
長期的に施設を安全に維持するためにも、施工後のアフターフォローが充実している業者を選びましょう。

福祉施設の防水工事なら株式会社アクアスへ

福祉施設の雨漏りや屋上・外壁の劣化は、放置すると利用者の安全や運営に大きな影響を与えます。
しかし、防水工事は専門性が高く、工法や費用、工期まで考えると、ご自身で判断するのは簡単ではありません。

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